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    怪人ラッコ男

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2011/04/20(Wed)

「駆け出し商人と悪の組織」 前半

 [FinalFantasy XIV 二次創作小説] もうひとつの世界征服日記


 「・・・と、いうワケで、貴兄は本日付けで我らが ”ジョッカー” の一員として配属されることになるラッコ(〃’(ェ)’)b  明日からの作戦行動において、そのルガディン族としてのチカラを存分に奮っていただきたいラッコ(o’(ェ)’)○」

 ここは、砂漠の街ウルダハ。 荒涼としたザナラーン砂漠の中央部にありながら、その地の利を生かし、莫大な財を成した豪商たちが築いたという巨大都市国家だ。

 「・・・あ、あぁ、そいつは構わないんですが、その ”ジョッカー” ってのは一体どういったものなんです?」

 そのウルダハ市街地の中心部にあって、多くの旅人や商人たちが訪れる場所、それが、今俺が来ているこのラウンジ ”クイックサンド” というわけだ。

 「良くぞ聞いてくれたラッコo(’(ェ)’〃)o   ”ジョッカー” とは、世界征服という偉大なる野望を掲げ、日夜問わず使命のために戦い続ける我らが ”悪の組織” の名前ラッコ(o’(ェ)’)○」

 今は、俺もこの街で一旗挙げてやろうと、外からやって来たフリーの駆け出し商人の一人に過ぎないが、ここ最近、急増し続けているという冒険者需要にあやかり、流行の雇われ契約商人 ”リテイナー” を始めてみることにした。

 「 ”悪の組織” ・・・? 今時、自ら悪であることを名乗るなんて、とんでもなく奇特な連中がいたもんですね。 いや、そいつは面白い。」

 こんな貧しい生まれの俺でも、この商業が盛んなウルダハでなら、商売で成功して上流階級へとのし上がるのも決して夢ではない。 いつか、きっと大商人の地位にまで上り詰め、長いこと苦労をかけたおふくろに、綺麗な花の一つでも買ってやりたい。

 「その通りラッコo(’(ェ)’〃)o  我ら ”ジョッカー” は決して逃げも隠れもしない。 正面から正々堂々と悪の道を突き進む、それはもう素晴らしい ”悪の組織” ラッコよ(〃’(ェ)’)b」

 で、今俺が話しているこの人は、俺の記念すべき最初のリテイナー契約の雇い主に当たる人物・・・のはずなんだが。  さっきからどうも様子がおかしい。 いや、おかしいというか、まず会話の内容に突っ込み所が多すぎて、どうしたものかと頭を抱えつつも苦笑してしまう。

 「ところでラッコ男さん、少し契約内容の確認をお願いしてもいいですかね?」

 まさか、とは思うが、もしかして、俺は今その ”悪の組織ジョッカー” とやらに加入しようとしているのか?

 「ラッコラッコ?((*’(ェ)’)o  心配しなくても契約書ならちゃんとココに持って来てあるラッコよ(〃’(ェ)’)b」

 そう言うと、自らを ”怪人ラッコ男” と名乗るこの妙ちきりんな雇い主は、短い腕を精一杯に伸ばしながら、どこかで見覚えのある一枚の紙を差し出した。



 「ふむ、・・・確かに。」

 間違いなく、先日リテイナー雇用の登録を申し込んだ際に、俺自身が署名した契約書そのものだ。 仰々しいウルダハ王家の印もしっかりと捺印されている。

 もしかしたら、どこかで誤って ”悪の組織” への加入契約に申し込んでしまったのかと、一瞬嫌な汗をかいてしまったが、俺が署名をしたのは間違いなく ”リテイナー雇用登録の契約書” であって、”悪の組織への加入契約書” ではない。 俺は思わず安堵してため息を漏らす。

 「ココの最後の一文までキチンとチェックしたラッコ?(’(ェ)’メ)o」

 そんな俺の心情を見透かしてか、小さな雇い主は、その短い指で必死に契約書のとある一文を読むようと訴えかける。 む? これは何だ? 小さな文字で、契約書の下の方に内容が追記されている。


  ”尚、以上の契約は、この署名者に悪の組織ジョッカーの新規構成員としての加入を義務付けるモノである。”


 「・・・・・・うお!?」

 俺は思わず我が目を疑う。 こんな下の方に米粒ほどの小さな文字で書いてあったら、よほど神経質のやつでもなければ、とてもじゃないが気づきはしないだろう。 あまり信じたくは無いが、どうやら俺は ”悪の組織” への加入契約に申し込んでしまった、ということらしい。

 「ちゃんと確認していただけたみたいラッコね((*’(ェ)’)o  貴兄には、コードネーム ”戦闘員No.2” として、このラッコの作戦行動のサポート役を担当していただくことになるラッコ(o’(ェ)’)○」

 そう、俺は人生の新しい船出とも言うべき大事な契約の場で、とんでもない大ポカをかましてしまったのだ。

 「それじゃ、契約のお祝いとして、一緒に何か美味しいモノでも食べるラッコよo(’(ェ)’〃)o  外の市場の屋台で適当に良いの探してくるから、そこのカウンター席を確保して待っていて欲しいラッコ(o’(ェ)’)○」

 それだけを伝え終えると、その小さな雇い主は、ご機嫌な様子で足早に駆けて行ってしまった。

 正直な話、職にあり付けるのは有難いのだが、”悪の組織ジョッカー” とやらが具体的に何なのか分からない以上、とても手放しで喜べたものではない。 ましてや、あの珍妙な口調と雰囲気の雇い主だ。  ”人は見かけで判断するな” とは良く言うが、そもそもあれは ”人” に分類される存在なのかどうか、まずそこから調べる必要があるのではないか。
 
 「っと、席が要るんだったか・・・。」

 今は考えるにしても、いかんせん判断材料が少なすぎる。 とりあえず、契約である以上は言われた通りに行動し、しばらく様子を見るべきだろう。 俺は思考を廻らすのを一旦止め、ラウンジの奥にあるカウンター席へと向かうことにする。




 ここの席は常連客らに密かな人気があり、普段であれば、冒険者ギルドの利用者たちも加わり、大変混み合っていることも珍しくはない。 そんな事情を知っていたこともあり、席を二つも取れるかどうかやや不安ではあったのだが・・・。

 今日は運が良いな。 団体客が店を離れるような頃合だったのか、不思議と席が空いている。 もしかしたら、実はあの小さな雇い主もこの店の常連客の一人で、俺よりもずっとここの事情に詳しかったりするのだろうか。

 「あら、あなた駆け出しの商人さんね?」

 丁度、席に腰をかけようとしたところで不意に声をかけられる。 今、湯気を立ち上らせながら、ティーポットに湯を注いでいる、この甘い声の主は、カウンターのマスターでもあり、美人の看板娘でもあるモモディさんだ。

 「ああ、悪い、実は先方に頼まれて、隣の席もひとつ確保したいんだが。」

 小柄なララフェル族であるとはいえ、この大きなラウンジを切り盛りする、その経営の腕は実に確かなものだ。 商人を志す者であれば、見るだけでも学べることはたくさんあるだろう。

 「あの面白い怪人さんの席でしょう? いいわよ。 大事な新しいお客様の頼みだもの。」

 そう言うと、彼女は十分に温めたポットから湯を捨てる仕草を止め、こちらに優しい眼差しを向ける。 ここのカウンター席が常連客らに受ける理由。 それは、ひとえにこのマスターの存在が大きいからだろう。

 「すまない。 さっきの話、聞こえていたのか。」

 あれだけ大声で、”悪の組織の素晴らしさ” について力説しくれたのだ、聞こえていないと考える方に無理がある。 意識はしていないつもりだったが、自然と深いため息が漏れてしまう。

 「ウフフ、ごめんなさい。 でも、あなたたち、とても目立つんですもの。」

 どう考えても、目立っていたのはあの珍妙な雇い主のせいだろう。 あの会話中、周囲からの好奇の視線が俺の方にも注がれていたのかと思うと、今更だが恥ずかしくなってくる。 まったく、出会って初日からこれでは、先が思い遣られるというものだ。

 「はい、サービスよ。 私から新人さんへの応援の意味も込めて。」

 そう言って、彼女が俺の目の前に差し出したのは、新緑の茶葉を使い、たった今淹れたばかりのザナラーン茶だ。 当然のことだが、熱い。 そっと口をつけると、茶葉の深い香りと味わいが、不思議と心に安らぎを与える。

 「・・・ありがとう、何だか落ち着くよ。」

 そんな俺の感謝の言葉に、彼女は優しい微笑みで応えてくれる。 

 このカウンターに座っていると、まるで、外の市場の喧騒がとても遠い世界の様に感じられる。 今この瞬間、この一部の空間だけが、エオルゼアという大きなパズルから、一枚のピースとして切り取られてしまったかのような、そんな錯覚を覚える。
 
 街の連中からこの店を幾度か薦められて、噂程度に話を聞いていただけだったが、今日初めてここへ座った今、その人気の秘密を改めて理解できた気がする。




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  • いよっ!待ってました~!

    思わず夢中になって呼んでしまいました。
    まさかリテイナーが主人公とは予想外・・・どんなお姿なのでしょう、今後が楽しみデス>ω<ノシ
    ラッコさんのイラストって、見ていて落ち着く画風ですね。懐かしく温かい感じがします。

    PS:米粒文章を探したのはきっと私だけではないハズ

  • ラッコラッコ!! o(’(ェ)’〃)o

    >フィー戦闘員
    シーオッター戦闘員は黒肌のゼーヴォルフでイケメンのルガディンラッコよ(〃’(ェ)’)b

    米粒サイズの例の文は、写真の距離からだとニンゲンの裸眼視力ではとても見えないほど小さいラッコ、申し訳無いラッコo(’(ェ)’〃)o

  • おおっ

    久々になっちゃったけど、見に来てみたらラッコ男が新たな展開をされていた!?

    (〃’(ェ)’)<ボクと契約してジョッカーになろうよ!

  • ラッコラッコΣ(’(ェ)’;)o

    >みるちゃ戦闘員
    ラッコをあんな非人道的な地球外生命体と同じにしないで欲しいラッコΣ(’(ェ)’;)o

    ラッコの新たなる世界征服の境地をしかとご覧いただきたいラッコo(’(ェ)’〃)o

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